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バレエ・リュス語り [marine的コラム]

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2月19日に22時30分からNHK芸術劇場にて「バレエリュス」が放送されます。
これはパリオペラ座バレエが上演したもので、私も撮影された翌日に鑑賞しました。

「薔薇の精」(フォーキン振付、ウェーバー音楽、バクスト衣裳&舞台装置)
「牧神の午後」(ニジンスキー振付、ドビュッシー音楽、バクスト衣裳&舞台装置)
「三角帽子」(マシーン振付、ファリャ音楽、ピカソ衣裳&舞台装置)
「ペトルーシュカ」(フォーキン振付、ストラヴィンスキー音楽、ブノワ衣裳&舞台装置)

こういう内容になっています。
公演の放送が始まる前に「バレエリュスへの案内~!」というようなコーナーもあるそうです。

私にとって「バレエ・リュス」は天才たちの集団だったと思います。
パリジャンたちは今でも「バレエ・リュス」に対して特別な思いを抱いているので、
きらびやかなクラシックだけでなくこういう作品にも親しんでもらえればと願っています。

詳しい感想は留学ブログに書いていますので興味のある方はそちらへ。

今回はこの4作を中心に私が思う見どころでも書いていければと思います。
バレエオタクっぷりが発揮される記事でしょうから、
途中で読むのをやめる人が出てくるような気がします。
しかし、そんなことに気にしては駄目だと自分に言い聞かせ、思うことをつらつらと綴っていきます。

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まず、「薔薇の精」。
…とりあえず、wikipediaさんの説明文を載せておきますね。

『薔薇の精』(ばらのせい、Le Spectre de la Rose)は、1911年に初演されたバレエである。
テオフィル・ゴーティエの詩句『わたしは薔薇の精、昨晩の舞踏会にあなたが連れていってくれた』を題材にとった1幕ものの作品で、1911年4月19日にバレエ・リュスによってモンテ・カルロ歌劇場にて初演された。
振付はミハイル・フォーキン、音楽はカール・マリア・フォン・ウェーバーの『舞踏への勧誘』(エクトール・ベルリオーズによる管弦楽編曲)、美術はレオン・バクストによる。
ヴァーツラフ・ニジンスキーが薔薇の精を、タマーラ・カルサヴィナが少女を踊り、バレエ・リュスの人気演目の一つとなった。
この作品は、現在でも世界中のバレエ団のレパートリーとなっている。

本当に短いんです、この作品は。あっという間に終わってしまいます。
このバレエは初めての舞踏会から帰ってきた少女の見る夢を描いています。
その夢は彼女の胸に飾っていた薔薇が窓から現れ一緒に踊るというものでした。

今回はエイマン(薔薇の精)とシアラヴォラ(少女)のコンビによるものが放送されますが、
エイマンの跳躍とシアラヴォラの上品な踊りに注目していただきたいなと思います。
エイマンは技術的に優れたものを持っています。
シアラヴォラはとにかく足のラインが綺麗なんです。
また少女はずっと寝たまま踊っているように見せなければならないのですが、
それがきっと上手だろうと思われます。
(そういえば、彼女のカルメンも素晴らしかったです!)

次に「牧神の午後」。
ドビュッシーの作曲した「「牧神の午後」への前奏曲」を使っています。
初演時はあまりいい評価をされなかったそうですが、
今ではたくさんのダンサーが「牧神」に挑んでいます。

ある午後、牧神は水辺でニンフを見かけるが彼女たちは牧神の姿に驚いて逃げてしまう。
しかし、あるニンフだけ彼に興味を持つものの、最終的には逃げていく。
彼女が残したスカーフを牧神はだきしめる。…というあらすじです。
最後の牧神の行為に初演された当時スキャンダルになるほど問題視されました。

ニジンスキーは「薔薇の精」によって跳躍が魅力のダンサーといわれましたが、
彼はそれ以外の方法でも観客を魅せることを証明したかったようで、
一度軽く跳ぶ以外ジャンプを封印しました。
また振付もそれまでのバレエでは考えられなかった動きばかりで、
彼は自分の演技力を観客に見せつけようとしたらしいです。

今回はル・リッシュ(牧神)とコゼット(ニンフ)のコンビだそうで。
ル・リッシュの牧神はリアルといいますか牧神の心を表現しているというふうに評価されていた
…と思います。確かではないです、すみません(汗)。
私自身、彼の牧神を見たことがないので何にもいえません。
コゼットのニンフは実際に見たのですが、彼女の誰にも寄せ付けない雰囲気がよかったと思います。
…でも、私は他のニンフで見たかったのですが、(コゼットは苦手なエトワールの1人なんです…)
彼女だけしかエトワールでニンフを演じている人がいなかったので仕方がないですね。

それから「三角帽子」。

この作品はペドロ・アントニオ・デ・アラルコンの短編小説を元にしています。
といっても、元々はスペインのアンダルシアで伝えられている民話がモデルらしいです。

見た目が悪いが働き者の粉屋と美人の妻がアンダルシアに住んでいた。
ある日好色の代官が妻のもとにやってくる。
彼女は代官の前で官能的な踊りを見せるが(代官に)からかわれるとその場で倒れてしまう。
そこに粉屋がやってきて代官を殴る。そして代官はその場を一旦去る。
その日の夜、粉屋夫婦も近所の人々に交じって踊っていたが、
粉屋が代官のわなによって逮捕されてしまう。
代官はそのときに妻を奪い取ろうとするが結局妻に逃げられてしまう。
水車小屋の前で川に落ちていた代官は粉屋の服を着る。
そこへ粉屋が戻ってくる。代官の服を見つけた彼は代官の妻の元へ行く。
粉屋の服を着た代官は景観や近所の人々に袋叩きされてしまい逃げていく。
やっと平和を取り戻した粉屋夫婦を中心に一晩中踊り続ける。…というお話です。
ちなみに「三角帽子」は代官が被っている帽子のことです。…権力の象徴と見なしているようです。

この物語にはオペラ歌手(メゾソプラノ)の歌声を最初と途中で聞けます。
その歌声がとても素晴らしいなと思ったので楽しみにしてください。

今回放送されるのはマルティネズ(粉屋)とジロ(妻)のコンビによるものですね。
あらすじでは見た目がそんなによくない粉屋ですが、
この粉屋は非常にかっこいいです。…「美男美女」コンビに思えます。
粉屋さんはフラメンコ風の振付が素晴らしいのでそこを絶対見逃さないようにしてください。
ジロの妻は…粉屋が逮捕されたあとのソロに注目してください。
(このときにオペラ歌手のソロが入ります。)
ジロは体中筋肉のみ!といってもいいほどの背の高い女性ダンサーですが、
踊りそのものはとても優雅です。彼女が現エトワール(女性)の中で1番踊りが上手いと思います。

それから舞台装置や衣裳にもぜひ注目して欲しいですね。
あのピカソが担当しているので、ピカソの絵画が好きな方にもぜひ見ていただきたいです。

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(ブノワの舞台装置デザイン画ー「ペトルーシュカ」)

最後に「ペトルーシュカ」。
この話はブログでも何度も取り上げているのであらすじなどは割愛しておきますね。

今回はペッシュ(ペトルーシュカ)、オスタ(バレリーナ)、ブリダール(ムーア人)という
キャストになっています。…こちらこそ何も言えないのですが。。。
(ペッシュもオスタもそこまで好きではないダンサーというのが大きいですね(苦笑)。)
ペトルーシュカは人間として演じるか人形として演じるか…によって演技も変わってきます。
私が観たル・リッシュのペトルーシュカはずっと人形のままでしたが、
ペッシュは「人間」として演じているんですよね。そこに注目していただければと。
オスタは…彼女の演技を楽しんで下さいませ。
ブリダールのムーア人は素敵でしたよ。(彼の牧神も素敵でした。)
あと、今回見世物師(シャルラタン)をミカエル・ドナールが演じているのですが、
彼が素晴らしかったです。彼の演技を見逃さないようにしてくださいね。

ではでは…このような感じで。
たくさんの人がバレエ・リュスに興味を持ってくれればと思いますし、そのことを願っています。
(ちなみに「エトワール」はいわゆるプリンシパルです。…パリオペラ座バレエの「星」です。)
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