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『英国王のスピーチ』 [映画のススメ]

英国王のスピーチ.jpg


今年のアカデミー賞で作品賞、主演男優賞(コリン・ファース)、監督賞(トム・フーパー)、
オリジナル脚本賞(デヴィット・サイドラー)を受賞した『英国王のスピーチ』。
授賞式が終わった翌日である3月1日、
たまたま私の休みだった幸運とファーストデーであった幸運が重なったので、観てきました。
午前中の回を観てきたのですが、凄く混んでいましたね。アカデミー効果なのでしょうかね?

それでは、感想を書いていきます。(結末を明かすような内容も書きますのでご注意ください。)

この作品は吃音(きつおん)のジョージ6世が第2次世界大戦開戦でのスピーチをするに至るまで
を描いています。どうして吃音になったかという原因を探りつつ、彼がいかにして、
後にイギリス国民から「最も誠実な王」と呼ばれるようになったのかということを知る物語であると
言えるでしょう。そして、ジョージ6世の友人であったライオネル・ローグの存在がどれほどまでに
ジョージ6世にとって大きなものであったかを実感させられる内容でもあります。
スペクタクルな展開があるわけではないのですが、決して飽きない物語でした。
その日は睡眠不足で上映中寝てしまうかもと思ってしまいましたが、
そういうことはなく、映画に夢中になって観ていました。

私はライオネル・ローグを演じたジョフリー・ラッシュが本当に素晴らしかったと思います。
(彼も今年のアカデミー賞に助演男優賞部門の方でノミネートされていたことに納得!)
「秀逸」の一言です。彼ありきの「コリン・ファースのジョージ6世」だったのではないでしょうか。
ユーモアあふれるハートフルな男性をチャーミングに演じきったラッシュの存在があればこその
作品賞(アカデミー賞)であったのかもと考えてしまうほどでした。
ライオネル・ローグという男性は吃音に隠されたジョージ6世のトラウマを1番良く理解していた人で、
公の資格を持たなくても、ジョージ6世にとって彼は素晴らしいドクターだったと言えるのでは?
本当にラッシュがとてもよくライオネル役に合っていて、彼以外のキャスティングが考えられません!

私自身コリン・ファースといえば、テレビドラマシリーズ『高慢と偏見』のダーシー氏なのですが、
『ブリジット・ジョーンズの日記』や『シングル・マン』の印象を持たれている方もいらっしゃるでしょう。
私は彼のダーシー氏を観ていたので、彼がジョージ6世を演じることに凄く納得していましたね。
彼は演技派の男優さんで、どんな役でも簡単に演じてしまいそうですが、
ジョージ6世の喜怒哀楽を常に気品を忘れずに表現していたところが素晴らしいと思いました。
アカデミー賞で主演男優賞を受賞しただけのことはあるなあと。
アカデミー賞では演技の上手さよりもいかに役と合っていたかを評価すると聞きました。
そういうことを踏まえて考えますと、確かにコリン・ファースが本当にジョージ6世に見えました。
吃音も上手に表現していて、彼が過去に吃音だったこともあるのでは?と本気で思ったほどです(笑)。

今回の映画はトム・フーパー監督、デヴィット・サイドラーの脚本、コリン・ファースのジョージ6世、
ジョフリー・ラッシュのライオネル・ローグという4人が集まったからこそ名作になったのでは?
と考えています。本当に心にぐっとくるものがあって…名作といえる映画でした。

サイドラーの脚本は史実を尊ぶ心を感じられつつもラストの戦争スピーチを盛り上げるための工夫を
感じられるものでした。最初の万博閉会式のスピーチ失敗とこの戦争スピーチをうまく対比させて
いるところがよかったです。また、ジョージ6世の戴冠式でのジョージ6世とライオネルのやりとりが
とても緊張感あるもので…こちらまでドキドキさせられました。その場面にはすごく感動しました。

ヘレナ・ボナム=カーターのエリザベス(ジョージ6世の妻)も忘れてはなりません。
品格があって、夫を愛している心があって…王室の女性として素晴らしい人物を演じていました。
ジョージ6世の兄エドワード8世の愛したウォリス・シンプソン夫人と対比されているのが
よく分かるぐらいの魅力的な女性でしたね。彼女もすごく良かったです。

他にもチャーチルを演じた俳優さんが本物そっくりに思えたとか…ぐらいかなあ。

今回のキャストには『ハリー・ポッター』シリーズや『アリス・イン・ワンダーランド』に出演している
俳優さん達がたくさんいたので…まさにイギリス&オーストラリア映画だなあと思いました。

この作品はぜひ映画館で堪能していただきたいですね。
皆様もぜひ映画館でラストのジョージ6世によるスピーチに感動してくださいませ。
本当にオススメの作品です。

LeDiscoursdunRoi.jpg

ちなみにこちらはフランス版のチラシです。仏題は『Le Discours d'un Roi』です。
意味は原題の『The King's Speech』と同じです。

ではでは。
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