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春うらら [本のススメ]

東日本大震災によって被害を受けられた全ての皆様に早く希望の光が見えますよう、
心からお祈りしております。一刻も早く日本が元気になれますよう願っております。

皆様、お久しぶりです。
地震の報道を見聞きして以来、どうやって最初の文章を書こうかと悩んでいたら、
いつのまにか、こんなにも時間が経っていました。
3月11日はちょうど隣県にバイトのため赴いていたため、
地震によるJRの運行見合わせの影響をもろに受けることとなりました。
そういうことはともかく、私は元気です。

卒業旅行で行くことにしていた仙台に訪れることが出来なかったのは非常に残念ですが、
復興した仙台に行ける日を心から楽しみにしておこうと思っています。
不幸を克服する方法は不幸と共に生きられるようになること、と私の大好きな本に書いてありました。
地震という事実に目をそらすことなく受け入れられるとき、そのときこそ復興に向けて動き出せる瞬間、
と言えるのではないでしょうか。今回被災者ではない私にどうこう言える資格をもっていません。
しかしながら、私は祈りたいと思います。

とにかく、人々にとって暗いニュースは逆に悪い影響を与えるでしょうから、
明るい話題を書いていければ、と思います。

まずは報告。

春分の日に某場所にて卒業式に「卒業生」として参加することが出来ました。
地震の影響であちこちで卒業式を取りやめるなか、
こうやって袴を着て卒業式に参加できたことを心から感謝しています。
袴は紫の矢絣に赤から紺へのグラデーションが綺麗な袴を合わせたものにしました。
大正時代のハイカラさんを目指した格好を目指しましたが、
髪型は編みこみがポイントとなったかわいらしいものにしました。
卒業式後、学科ごとの謝恩会にも参加しました。

そして、今はどこかの企業に就職することなく、バイト先で日々働いております。
夢の実現を目標に、これからも頑張っていければ、と思います。

次に本。

最近、たくさんの本を読んできましたので、とりあえず紹介だけでも。


バチカン奇跡調査官  黒の学院 (角川ホラー文庫)

バチカン奇跡調査官 黒の学院 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 藤木 稟
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/12/25
  • メディア: 文庫



『バチカン奇跡調査官』は文庫本の表紙に惹かれたりあらすじを読んで興味をもったりしたことが
きっかけといえば、そうだったかなあと思います。
スピーディーな感じのミステリーなのかなと思いきや、奥が深いミステリーでした。
バチカン、という名前が出てきただけで、宗教が絡んでそうな気がしましたが、確かのその通りでした。
ほとんどの人の信仰というものは人間ゆえにどこか隙があると思うのですが、
そこをうまく突いた人々の物語でした。本当にあのラストは予想外でした。


心霊探偵八雲〈1〉赤い瞳は知っている (角川文庫)

心霊探偵八雲〈1〉赤い瞳は知っている (角川文庫)

  • 作者: 神永 学
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2008/03/25
  • メディア: 文庫



題名に「心霊探偵」がつく時点でスピリチュアルミステリーなんでしょうが、
全ての心霊現象には全て人の想いが突き動かしているというメッセージ性が、
人の心をうまく描き出した物語と言えるのではないかと思います。
この作品は某グラフ誌で私の応援していた羽桜しずく女史の好んでいる作品として紹介があった、
ということがきっかけで興味をもつようになりました。
これは既に漫画化やアニメ化、ドラマ化された人気作品なんですよね。…実写化(演劇)もありますし。
文庫版では6巻まで刊行されていますが、それらの全てを読んだ上で、
この作品は人の心を描き出したものであるということ、また人間の本質が何かという問題提起が
なされているなあといったことを思いました。
神永さんの書いた『コンダクター』も『怪盗探偵 山猫』もおすすめです。


ジャンヌ・ダルクまたはロメ (講談社文庫)

ジャンヌ・ダルクまたはロメ (講談社文庫)

  • 作者: 佐藤 賢一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/02/16
  • メディア: 文庫



これはちょうど今日読み終えた本です。短編集です。
表題作はジャンヌ・ダルクが何者かということを知ろうとした男達の物語で、
ジャンヌ本人は1場面しか登場しません。
『傭兵ピエール』で宝塚ファンもよくご存知の佐藤賢一さんの作品ですが、
傭兵ピエールのときと同じように、謎の人物にもしもの設定をした上で描かれた物語でした。
非常に面白かったです。あとは『エッセ・エス』というカスティーリャ女王イサベル1世の結婚について
描かれた小説がよかったです。佐藤さんはフランスの歴史についてよくご存知の方で、
『英仏百年戦争』(新書)を読んでからというもの、度々彼の小説を読んでいます。


黒祠の島 (祥伝社文庫)

黒祠の島 (祥伝社文庫)

  • 作者: 小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2004/06
  • メディア: 文庫



これは友人に勧められて読んだ作品です。
本格推理小説のようですが、魔法のような神がかりが行われたというトリックに頼りすぎたかな、
という感じはありました。…夜叉島で崇められている宗教をうまく利用した感と言うべきかしらん?
とはいっても、人間関係に緊張感があったりなど一気に盛り上がる場面が良いテンポで
繰り返されていたので、非常に面白く思い、あっという間に読んでしまいました。
つまり、秀作とはいえないけれど、人々の心をひきつける魅力をもった作品だと思います。
「罪と罰のバランス」という命題に近い問題提起がこの作品において強いメッセージ性となっていました。


宵山万華鏡

宵山万華鏡

  • 作者: 森見 登美彦
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2009/07/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



祇園祭の1日目「宵山」に関わる何人かの人々を色々な目線から描いた物語です。
『夜は短し歩けよ乙女』でおなじみの森見さんの著書なので、
彼が醸し出す独特の雰囲気のなか物語が展開していきます。
大まかに3つにエピソードを分けることが出来ますが、
私は宵山に隠された奇妙な世界に迷い込んだ人々(…いや迷い込もうとした人々?)の話が好きでした。
森見さんの小説は京都を魅力的な街にしてくれます。
だから、今の私は京都に行きたくてたまらない人間となってしまっています。
…きっと、この一冊も皆様の京都への想いをさらに強くしてくれること間違いなしです!


神様のカルテ

神様のカルテ

  • 作者: 夏川 草介
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/08/27
  • メディア: 単行本



面白いです。非常に面白いです。
主人公の一止(いちと)が夏目漱石の『草枕』愛好家ということもあってか、口調が漱石風なのです。
しかし、物語の中で描かれていることはシリアスで、
私の心にチクチクと突き刺さるような場面がいくつもありました。
その現実をやわらかく包み込んでくれるのが一止の妻ハルの存在です。
だから、この小説はどこかポカポカとした春のほのぼのとした風景を思わせるものになったんでしょう。
人気になる理由がよく分かるような気がします。
私自身何度も一止の言葉にハッとさせられたり励まされたりしました。
最近何か悩んでいる人にもお勧めの一冊、と言えるかもしれません。


極北クレイマー

極北クレイマー

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2009/04/07
  • メディア: 単行本



海堂さんの小説はどれも面白いのですが、
最近読んだのが『極北クレイマー』だったので、今回はこの本を紹介させていただきます。
極北市民病院の産婦人科医が逮捕されるまでのプロセスを描いた作品で、
その逮捕から市民病院を建て直すストーリーが今、週刊朝日にて連載中の『極北ラプソディ』
となっています。そちらも読んでみたいです。
私自身『ブラックペアン1988』を読んで以来世良雅志さんも速水さんや彦根さんと同様、
私の大好きなキャラクターですので…彼がたくさん登場するであろう『極北ラプソディ』は
絶対いつか読まねばならない一冊です。『極北クレイマー』でもラストで救世主として出てきたときは
非常にかっこよかったです。「凄い~、さすが世良さん!」と思いながら読んでいました。
今回の作品で初登場するのがプーさんこと今中先生。外科部長さんとして登場していました。
他にも『アリアドネの弾丸』等で登場する人物もいましたので、
この一冊も多くの田口・白鳥シリーズが好きな方々にも読んでいただきたい一冊ですね。

ではでは、今日はこれぐらいで。
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