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「アレクサンドル・デュマの血」 [本のススメ]


象牙色の賢者

象牙色の賢者

  • 作者: 佐藤 賢一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/02
  • メディア: 単行本



『ニコラ・ル・リッシュとパリのエトワールたち』の公演が延期になって衝撃を受けたmarineです、
こんばんは。私はバレエを観るたびに自分の原点がバレエであることを実感しています。
まあ、15年近く踊り続けていたのだから、原点でなければおかしいよ?と思いますが。
そんなバレエの作品の中でも、ノイマイヤー版の『椿姫』が好きな演目の1つです。
『椿姫』との出会いはオペラでした。ビデオになっているものを繰り返し見た覚えがあります。
そんな『椿姫』の作者であるアレクサンドル・デュマ・フィスを主人公に置いた小説、
『象牙色の賢者』を読みました。非常に興味深かったです。


《ラ・トラヴィアータ》-椿姫- [DVD]

《ラ・トラヴィアータ》-椿姫- [DVD]

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • メディア: DVD




この本を読むまで、
大デュマの父が黒人の血を半分受け継いだ将軍「黒い悪魔」であったことや
大デュマの肌の色が褐色だったこと、小デュマの場合、肌の色が象牙だったこと…等、
デュマ3代について全く知りませんでした。本当に勉強になりました。

この作品は小デュマことデュマ・フィスが自らの人生を振り返るストーリーで、
父との関係やマリー・デュプレシとの恋、彼の考えていること(価値観や人生観など)…等、
デュマ・フィスが実際どういう人間であったかを考える内容となっています。
私自身ブログを通して文章を綴っているので、そのこと(文章を書くこと)についても
色々と考えさせられるものがありました。
さすがアカデミーフランセーズの会員になるだけのことは!…と思いました。
(実際は佐藤賢一さんが書いているのですけど、ね!)

そのなかでも、マリー・デュプレシとの恋愛についてが印象的でした。
私自身モンマルトル墓地に実際赴いた分、彼らの恋愛を歴史の中できらりと光るロマンスとは思えず、
自分にとって近いものとして考えてしまったからかも、…と勝手に推量しています。
私の中で、マリーがモデルとなった『椿姫』のヒロイン、マルグリットは可愛そうな人物、
もしくは純愛に出会えた幸せな人物としか思っていませんでした。
実際に、『椿姫』はそういう女性として描かれていたんでしょうが。
しかし、マリー・デュプレシは違っていたかもしれないんですね。
ノルマンディーの農家に生まれた彼女は現実に生きていた人というか、
高級娼婦として生きてきた女性であったというか…。
アルマンよりひどいやり方で彼女を振った小デュマの脳内から一生彼女のことを忘れさせないように
策略を練っていた人物であったのかも、というふうに作品の中で小デュマが言っています。
マルグリットが高級娼婦でありながら心が綺麗な女性だったという性格とは少し違って、
高級娼婦らしいやり方で彼を愛しぬき、振った彼に一生自らを忘れさせぬよう計画を練ったような人物、
そのように考えると、自分に近い女性としてマリーのことを思えてくるというか、なんというのか…。
上手く言葉で表現できないんですが、ずいぶん人間らしい女性であった見方もできる人物であった、
そういうことに気づかせる小説でした。とても面白かったです。

私自身、宝塚ファンでありバレエファンでありますので、
どんな人で登場人物を見てみたいか考えてしまいました。
デュマ・フィスにはバレエダンサーの中ではフロリアン・マニュネさん!
一応没落貴族(苦笑)の血をひきつつ黒人らしい情熱をもっていそうなところが向いているかなあと。
小デュマが「アレクサンドル・デュマの血には逆らえない」、と大デュマの死により、
アレクサンドル・デュマ・フィスから親子3代続いた「アレクサンドル・デュマ」になったことで、
「アレクサンドル・デュマ」の生き方に反発したこれまでのあれこれが全て消えてしまった、
というようなことも書いてありました。そういうことも表現できる人は彼かなあと思ったのです。
(ノイマイヤー版『椿姫』で扮していたデ・グリューで、実際に『マノン』でデ・グリューを踊ってほしい人!)
マリー・デュプレシで見たいバレエダンサーはミリアム・ウルドーブラムちゃん!
ただのミリアムちゃんのファンであるからこその考えではあるんだけれど。
…ちなみに宝塚では?の私が出した答えは秘密にしておきましょう。

ではでは、今日はこんな感じで。
最後はミーハー日記になってしまいました。(m○x○の日記に書く文章とあまり変わらないなあ(苦笑)。)
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