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Camelot [映画のススメ]


キャメロット 特別版 [DVD]

キャメロット 特別版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD



今夏上演される『ランスロット』。
妃海風さんの出演も決まっていますが、いったいどんな舞台になるのでしょうか。
今から楽しみですね。…と期待しながら某「T」のつくレンタルショップでうろうろしていたら、
『キャメロット』という1967年製作のDVDに出会いました。

『キャメロット』のタイトルになっている名前はアーサー王伝説の都市名です。
『マイ・フェア・レディ』のアラン・ジェイ・ラーナーとフレデリック・ローのコンビが創り出した、
ミュージカルの映画化。(映画用に曲を作り変えたそうですが。)
監督は『南太平洋』のジョシュア・ローガン。
主人公アーサー王にリチャード・ハリス、王妃グエネビアにヴァネッサ・レッドグレーヴ、
騎士ランスロットにフランコ・ネロが扮しています。
この物語では、アーサー、グエネビア、ランスロットの三角関係を中心に、
アーサー王が創りあげた王国の崩壊を描いています。
要は、アーサー王がだんだん理想とする正義から遠のき、
ただの妻の不倫を心配する夫と化してしまったこと、また野望を持つ庶子モードレッドの言うことを
(アーサーの)嫉妬心から素直に聞いてしまったことが王国崩壊への一歩となったーそんな感じです。
オーバーチュアや休憩、エンディングなどもあってミュージカルを忠実にしたという印象を受けましたが、
製作がアメリカだったのもあってか、イギリスではなくアメリカの陽気さを感じさせる映画に思えました。
特に最初のアーサー王が自分の理想を妻に語って聞かせる場面などはまさにアメリカンミュージカル!
「この物語はだんだんつらい方向へと本当に向かうんだろうか」と思わせるものがありました。
だからこそ1幕ラストでアーサーがランスロットと妻の仲に気づいたときに嫉妬した表情が
本当に恐ろしくてたまりませんでした。明暗がはっきりしているなというふうには感じましたね。
あとは、ランスロットが仲間から無理矢理決闘に持ち込まれた場面で、
ほぼ死んだ決闘相手を必死で慰め悲しみ、最後に生き返らせたという逸話は本当に凄い!と思いつつ、
「ありえない話だわ」と冷めた目線で見ている自分もいました。
本当にランスロットが「自分は騎士だ~」と高らかに歌う場面を経て、
(まさにフランス版ロミジュリでの「俺はティボルト」という歌を陽気にさせた曲でした)
悲しみながら他者を救う場面はまさにランスロットは究極の騎士であることを知らしめているようでした。
もともとその決闘を陰で操作していたのが王妃様なんですけどね。
彼女は全く興味なさそうなランスロットへの復讐のような想いがあって、
3人の騎士たちに呼びかけて決闘を起こさせたわけですが…ランスロットが他者を救ったことで
彼女も変わるんですよね。ま、ランスロットは出会ったときから王妃様一筋で、
アーサー王を裏切らぬようあえて避け、ずっと戦いに行っていたといった事情もあったわけですが。
ま、相思相愛の2人がくっつくのは時間の問題ということで、
決闘前には悪妻っぷりを発揮させていたグエネビアがランスロットの前では純粋な少女に変身していく
様子には驚かされましたね。展開の早さには「さすがアメリカだわ!」と思わせるものがありました。
あとは…、ランスロットとの不倫がばれてしまったグエネビアの火あぶりの刑から
ランスロットが(軍を形成して)彼女を救ったことで円卓の騎士のつながりが壊れ、
戦争へと発展し、王国が崩壊していく様で、
あまりアーサーとランスロットの対立がはっきりと描かれていなかったのが少し残念でしたね。
それこそ『スカーレット・ピンパーネル』のパーシートショーヴランのように戦ってほしかった…。
結婚してすぐ王妃に「円卓の騎士」の提案を賛成してもらって結成したのに、
彼女がきっかけで「円卓の騎士」も王国もめちゃくちゃになってしまった…
本当にアーサーはかわいそうな人です。
しかし、子どもにキャメロットの話を聞かせ、子どもがそのキャメロットの夢を追う、といったラストに
夢や希望があるように感じられました。だから、結構ポジティブなエンディングだったかなあと。

さてさて、アーサー王には以下の主な登場人物がいます。
wikipediaの「アーサー王物語」から抜粋させていただきます。)

アーサー王(アーサー・ペンドラゴン):ブリテンの王。
マーリン:アーサーを補佐し、導く魔術師。
グィネヴィア:アーサーの王妃。ランスロットとの禁断の恋で有名。
ヴィヴィアン(湖の乙女):マーリンの愛人にして弟子。
モルゴース:アーサー王の異父姉。アーサー王との間にモルドレッドをもうける。
モーガン・ル・フェイ:妖姫。アーサー王の異父姉。

<円卓の騎士>
アーサー王に仕えた精鋭の騎士たち。各々魔法の円卓に席を持つ。席の総数、構成員は作品によって異なる。

ケイ:アーサーの育ての親エクトル卿の息子。アーサーの乳兄弟。国務長官を務める。
ベディヴィア:アーサーの忠実な家臣。最後の戦いののち、エクスカリバーを湖の乙女に返還する。
ランスロット:湖の騎士。この世で最も誉れ高き最高の騎士。
ガウェイン:モルゴースの息子でアーサーの甥。
トリスタン:アイルランド王マルクの甥。竜退治やイズーとの恋で有名。
ガラハッド:ランスロットと白い手のエレインの息子。聖杯の騎士の一人。
パーシヴァル:ペリノア王の息子。聖杯の騎士の一人。
ボールス:聖杯の騎士の一人。
モルドレッド:ガウェインの異父弟。モルゴースの息子にしてアーサーの甥(実はアーサーの近親相姦でできた子)。王位の簒奪を企み、アーサーと戦う。

さて、タカラヅカで上演される『ランスロット』は物語の主人公をアーサー王ではなくランスロットにし、
王への忠義心、王妃への愛、円卓の騎士たちの友情と対立…を描くというもので、
どのエピソードを拾っていくのか疑問に思いますね。
きっとトリスタンとイゾルデのエピソードは削るでしょう。(その物語だけでも十分舞台が成り立つので。)
映画を観て思った不安が娘役に役があるかということだったので、
できるだけ多くの娘役さんが役をもらえるよう祈るばかりです。

ではでは。

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