SSブログ

『確率捜査官 御子柴岳人』をヨム。 [本のススメ]


確率捜査官 御子柴岳人 密室のゲーム

確率捜査官 御子柴岳人 密室のゲーム

  • 作者: 神永 学
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/09/01
  • メディア: 単行本



今回は久しぶりに読書の話でも。(しかも、新刊…!)
私自身、単行本の新刊は滅多なことがない限り買わないのですが、
今回は表紙のイラスト(カズアキさん画)に惹かれて購入を決意しました。
といっても、関東に比べて発売が遅れてしまう田舎に住んでいる私は
本屋でいつ発売されるか事前に尋ね、発売日は朝から本屋に行き、
まだ段ボール箱に入っていた本をムリヤリ出してもらったということをしでかしました。
…それほどまでに欲しかったんだもの、と自分の行動を正当化しつつも、
感想を書いていくことにしましょう。(ネタバレありです、ご注意ください。)


あらすじを簡単に言うならば、
数学オタクとしか言いようがない捜査官「御子柴岳人」と
新米刑事「新妻知紀」のコンビが事件を解決していく物語ーとでも申せましょうか。
短編のように見せかけて実は全ての事件がつながっていたという結末には驚きました。
神永さんの脳内は本当に凄いんだなあと感心します。
御子柴さんは『心霊探偵 八雲』シリーズの八雲たちが通う大学の教授でもあるので、
八雲シリーズのメンバーが少し登場していたのが嬉しかったですね。
やはりエンターティメント小説なので軽く読もうと思えば読めます。
実際、私も2時間ぐらいで全部読んでしまいましたし。
でも、描かれていることは結構シリアスなんですよね。正解が一生見つからないような命題ばかり。
警察の正義というものを深く考えさせられました。ま、警察とは関係のない人生を送っているので、
心から警察を理解するということはないでしょうけれども、色々と思索してしまいました。
きっと現在ドラマにもなっている『アリアドネの弾丸』(海堂尊著)を読んでいるのもあるんでしょうね。
この小説では何が何でも「警察は正義の象徴として存在せねばならない」という概念があり、
読んでいてやるせない気持ちになりました。(最近こういう小説によく出会うなあ。。。)
神永さんの小説はやはり心に深く問うものがあるなあと実感します。
『八雲』シリーズとどことなく似ているなあと感じましたが、
今作の方がまだ現実的かもしれません。幽霊等心霊現象が出てこないだけではなく、
数学を通して理性的な目で事件を見る小説ですし。
そうそう、海堂さんの『モルフェウスの領域』で気になっていた「ゲーム理論」について
少しだけ感覚的につかめたような気がしました。(ちょっと嬉しかったですね。)
「ゲーム理論」のほかにも数学的な観点から見た理論のようなものがいくつか登場するので、
結構勉強になります。友紀さんがいつも読者の側になってわけのわからない数学ワールドに
疑問を呈してくれるので、なんとか御子柴さんの数学の話についていけます。
なんだか続きが終わりそうなラストでしたので、これからの展開も楽しみにしておきます。

それでは。
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。